おちうみ内科消化器クリニック
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院長ブログ

地域健康フォーラムでの講演について 2011年8月9日

平成23年10月1日に第6回地域健康フォーラムにて講演をします。

開催日  平成23年10月1日
開催時間 13時30分から15時30分頃まで
開催場所 県立広島病院内中央棟2階 講堂

以上です。

テーマは「患者さんにやさしい癌治療」です。
3人の演者が順番に講演します。

■13時40分〜14時10分
「内視鏡(胃カメラ)を用いた胃がんの治療」
県立広島病院 内視鏡内科 隅岡正昭先生

■14時10分〜14時40分
「患者さんに優しい胃がん治療 腹腔鏡下機能温存胃切除術と胃切除術後障害の対策、地域連携パス」
県立広島病院 消化器・乳腺・移植外科 内視鏡外科グループ主任部長 漆原 貴先生

■14時50分〜15時20分
「胃癌治療における開業医の役割、早期癌をいかにみつけるか」
おちうみ内科消化器科クリニック 落海 健彦

以上です。

今回は胃癌に絞って題材を集めたようです。
そのため自分の講演内容の要点は、以下のような内容を予定しております。
興味がわかれたらぜひ足を運んでみてください。

【講演内容要点】
胃癌治療においては現在、内視鏡治療や手術療法、薬剤治療の目覚まし進歩により早期胃癌の5年生存率は多くの施設で90%を超えるほどの治療成績となっています。
にもかかわらずいまだに胃癌に罹患された人全体での5年生存率は60%程度でしかありません。
この2つの数字が示していることは、非常に多くの方が転移をしてしまった治療の手遅れの状態で癌が見つかっており根治的な治療が行えなかったことを示しています。
一開業医の役割として、いかにすれば早期に胃癌をみつけ、地域連携を通じて、可能な限り患者さんに優しい胃がん治療にむすびつけれるのか、という効果的な検査の受け方を紹介します。

「迷った時の医者選び 広島」に掲載されました。 2010年12月9日

最近いろいろと忙しくブログを更新できずにいましたが、、、
南々社の「決定版 迷ったときの医者選び 広島」に掲載されました。

どちらかといえば、病院の医師が掲載されておりほとんど開業医は掲載されていませんが、「定評のある内視鏡検査(胃・腸)の開業医など10人」(97ページ)の欄に小さく掲載されています。

日頃の診療が少し評価され、忙しい毎日ですが励みになります。
興味のある方は本屋で立ち読みでもしてみてください。

ピロリ菌と喫煙、禁煙外来について 2010年6月28日

禁煙外来を6月1日より始めました。

 

ほぼブログの更新が半年に1回のペースで、友達、関係者各位の方から遅いといわれております。
開業してほぼ2年半となりやっと事務仕事に慣れ始めたところでしたが、この3月より今度は南区医師会の理事に推薦され、理事の仕事、はたまた市民検診などの行事に追われブログ更新が遅くなっております。

 

今回禁煙外来を始めようと思ったきっかけは、たばこ税が徐々に上昇しておりこれを機会に禁煙をしたいという方が自分のまわりに予想外に多かったことです。
ここで興味のあるデータをお示しします。
九州大学の土井康文助教らが発表された研究ですが、喫煙とピロリ菌感染の組み合わせによる胃癌発症のリスクを発表しておられます。それによれば、ピロリ菌に感染していなくても喫煙のみで、ピロリ菌に感染していない非喫煙者に対して、胃癌発症の危険率(正確にいえばハザード比)は5.82倍と非常に高いことが知られています。
また、ピロリ菌に感染をしていない非喫煙者に対して、ピロリに感染した非喫煙者は6.93倍となっています。
以上2つのデータから、ピロリ菌の感染と喫煙はほぼ同じ程度の胃癌発症の危険率といえます。

 

さらに、喫煙者のピロリ菌に感染している人はなんとピロリ菌感染のない非喫煙者に対して、、、11.41倍の危険率、、、となるのです。
ピロリ菌除菌は以前もブログに投稿したように保険診療で除菌を行うためには、制約が多いのが現状です。
しかしながら禁煙を勧めるのは、禁煙外来が保険適応となったこと、種々の薬の開発で比較的容易となりました。

ピロリ菌は胃癌のみ発症を増加させているだけですが、喫煙は胃癌のみでなく、肺がん、食道がん、咽頭喉頭癌、たばこの煙の届かない腎臓がんなど多くの癌の危険因子であることも解っております。


以上から考えて、、、癌の一次予防は禁煙だ、、、と思い始め禁煙外来を始めました。

興味のある方は外来へお越しください。

ピロリ菌と慢性胃炎、胃癌の関係について 2009年12月25日

当分ブログを更新できませんでしたが、少し時間ができましたので更新したいと思います。

 

今回はピロリ菌と胃の病気、特に胃癌との関係について投稿しようと思います。
前回投稿したように、ピロリ菌に感染している人は50歳以上では8割以上のかたが感染しています。
この8割の方は、ほとんどが幼少期に感染し、持続感染しています。
つまり自分の年齢とほぼ同じ期間感染しているわけです。
当然これだけ長い期間感染していれば、胃に変化が現れます。
それが慢性胃炎です。ピロリ菌感染をしているほとんどの方が慢性胃炎の状態にあります。
慢性胃炎のなかでも、萎縮性胃炎と呼ばれる胃炎になっている方がほとんどです。
萎縮というのは、内視鏡のときに説明するとほとんどの方が「胃が小さくなっているのですか?」と質問されます。
そうではなく、胃の内側にある粘膜という層(ブログの08年2月10日を参考にしてください)が薄くなっている状態です。
萎縮性胃炎があると胃癌発症の危険率が高まるということが知られています。
胃の萎縮している範囲で萎縮性胃炎を萎縮している面積の小さい軽度萎縮、ほとんどが萎縮している高度萎縮、その中間の中等度萎縮に分類し、胃癌発症の危険率を比べてみると
軽度萎縮例にくらべて高度萎縮例では、10年間の経過観察で胃癌の発症の危険率が6倍高いことがわかりました。(自分の大学の先輩の上村先生が発見され、論文発表されました。)
つまり萎縮している面積が多いほど胃癌の発症の危険度は高まることがわかったのです。
またピロリ菌を除菌し、成功した場合、萎縮の面積は広がらないことが知られています。
最近の厚生労働省が行った研究で「ピロリ除菌による胃発癌の予防」によると、除菌が成功すれば、萎縮が完全ではありませんが改善するということもわかってきています。
つまりピロリ菌の除菌が成功すれば、萎縮の範囲はすくなくとも広がらないわけですから、胃癌の発症の危険度を抑制することができるわけです。

 

このため、日本ヘリコバクター学会はピロリ菌の除菌をすべてのピロリ感染者に勧めていますが、現在のところある一定の基準を満たさないと保険診療では除菌できません。
このため、医師会、ヘリコバクター学会から厚生労働省に働きかけていますが、まだピロリ菌感染のみでは、保険診療で除菌治療をすることはできないのが現実です。


ヘリコバクターピロリ 2009年6月1日

最近質問の多いピロリ菌について、今回を含め何度かこのブログで解説しようと思います。

ピロリ菌は正式な名称をヘリコバクター・ピロリといいます。「ヘリコ」はギリシャ語の「らせん」,「バクター」はバクテリア(細菌)という意味です。
「ピロリ」は胃の出口付近のこと「pylorus」を意味しています。元来,この菌が胃の出口付近の「ピロルス」から多く発見されたため、この名前がついた ようです。身近な例でヘリコというと何か思い出しませんか?そうです「ヘリコプター」です。
ヘリコプターの名前もギリシャ語のらせん「helico」と翼「pteron」に由来しているのです。
ピロリ菌の写真を見ると、上にある数本の長い鞭毛がヘリコプターの翼に似ていませんか?


さてこんな菌が胃の中にいると思うと気持ちがあまりよくありませんが、ではいつ感染したのでしょうか?
正直なところはっきりとはわかっていないのが現状です。ただいくつかのわかっていることから、ほとんどの感染者は免疫力の不充分な乳幼児期に感染し、そのまま胃に住みついたのではないかと考えられます。
それは、大人になって感染した場合、慢性感染に移行することはすくなく、ほとんどは風邪のように一過性に感染し治ってしまうという事実と、 乳幼児期に感染をおこすとその後慢性感染を起こす可能性が高く、大人になって感染すると一過性の感染で終わることが多いほかのウイルス感染 が知られているという事実(B型肝炎ウイルスなど)、をあわせて考えるとほとんどの人は乳幼児期に感染しているのではないか、と考えられるわけです。

では乳幼児期にどのように感染したのかということですが、これもはっきりとはわかっていませんが、日本におけるピロリ菌の感染率は年齢と関連し、10〜20歳で20%程度、50歳以降で70〜80%となっています。
戦前戦後の衛生状態が悪い時代に乳幼児期を過ごした世代の感染率が高いことがわかります。
また乳幼児期に食事の与え方も今の40歳代を境に大きく変化しており、40歳以上の世代は親が噛み砕いた食事を子供に与えている人が多かったですが、今の40歳代より下の世代では、虫歯を気にしてそのようなことをしなくなっています。
このため、衛生状態の悪い水から感染したのではないかという意見もありますが、自分はヘリコバクター・ピロリは自然環境においては動物の胃内だけで増殖可能であり、それ以外の場所では、生きたらせん菌の形では長時間生残することは出来ないという事実も考えてあわせると、人から人へ直接感染したもの、感染している親との小児期の濃密な接触(離乳食の口移しなど)が多いのではないかと思っています。

今回はこの程度でやめておきます。
次回はピロリ菌と胃の病気との関連について投稿しようと思います。


便潜血陽性、血便とは? 2009年3月25日

よく外来で質問を受けるもので、便潜血検査について今回は説明します。

大腸がんのスクリーニング(検診)の代表的なものであり、地域、職域でもっとも普及している、食事制限なく簡単に受けられる検査です。
今までに便潜血検査をうけた方はたくさんおられるかと思われますが、この検査は陽性、陰性があります。これは、便の中に含まれている血液の量がある一定以上の値(cut-off値)を超えると陽性と判定されます。つまりこの検査が陽性なら、「便の中に血液がたくさん含まれていますよ」ということです。
だからこの検査が陽性でも、「大腸がんがある」ということではありませんし、逆に陰性でも「大腸がんはない」ともいえません。


ではどうしてこの検査が大腸がんの検診につかわれるかといいますと、便が大腸の中を通過するとき、正常な組織であれ、がんであれ便がこすれれば少し出血します。

大腸がんは正常な組織に比べてもろいので、便が通過することにより、正常な組織よりも多く血液がでます。しかしこれが便に付着しても便を見ただけでは、時間もたっていますし、赤くもないのでわかりません。たまたま幸運にも赤いものが便に付着し発見できればこれが血便になります。

通常はわからないので、血液の量を検査(専門用語で言えば免疫学的反応)によって調べるわけです。それで先ほど説明したcut-off値を超えると陽性と診断するわけです。

つまり便潜血反応陽性とは、「大腸がんがある」ということではなく、便の中に血液が多くでている、逆に陰性とは便の中に血液が含まれている量が少ないということになります。そのため痔の人などは、排便する際に血がでて便に混じるので陽性と判定されたり、あるいは正常な大腸からたまたま出血し陽性と判定されたりすることもあります。


では実際便潜血陽性の場合どのような病気があるのでしょうか。

年齢によって差はありますが、4割程度がポリープ(大腸がんを含む)、3割程度が痔、2割程度は何も病変がありません。
では残りの1割は何でしょう?これは胃や口腔内の病変であったり、大腸より上の消化管の病気のことがあります。
以上を鑑別するためには、内視鏡検査(大腸ファイバー、胃カメラ)しか手段はないのです。もう一度便潜血反応をやって陰性だからといっても、たまたま便が通過したときに、そこに大腸がんあっても血液の量があまりでなかったなら、便潜血反応は陰性になってしまいます。便潜血反応は一度陽性がでれば、「大腸がんがある」のではなく「大腸がんの可能性が高いので内視鏡検査をしてください」ということなのです。

つまり健康な集団の中から、大腸がんの精密検査が必要な人を拾いあげる費用的にも、体にも負担の少ない最も有効な検査法です。


10月2日の大腸内視鏡、胃内視鏡の検診の重要性についての講演会について 2008年10月15日

10月2日の大腸内視鏡(大腸ファイバー)、胃内視鏡(胃カメラ)の検診の重要性についての講演会について

西旭町集会場にて上記演題にて、胃、大腸検診の重要性について講演会をおこないました。

会場はあまり広くありませんでしたが、お世話してくださった方々のご尽力により、会場はほぼ満員状態で60人程度の方が講演を聞きにきてくださいました。
時間が夕方の7時から8時までと、比較的遅い時間であったにもかかわらず、ありがたいことです。

講演会での内容は、胃に関しましてはほぼこのブログの内容に沿ったものです。
ブログではあまり、図表や写真を投稿していませんが、講演会ではどちらかというと、写真、図表を多く見ていただくことができましたので、より理解しやすかったかと自分では思っています。
大腸に関しては以前からブログに投稿しようと思っているのですが、いろいろな雑用も多くなかなか投稿できずにいましたが、講演会のほうでお話させていただきました。こちらも図表をふんだんに使い、比較的高評だったようです。
時間が夜遅かったこともあり、質疑応答の時間が取れなかったのが残念でした。また機会がありましたら、こちらでお知らせしますので、ぜひ講演会を聞きにお越しください。

大腸検診の重要性についてのブログはできるだけ早い時期に開始しようと思います。

10月2日19時〜ガンの早期発見に関して(胃カメラ、大腸内視鏡の重要性)の講演会 2008年9月19日

残暑厳しい今日このごろですが、上記題目にて講演会をおこなうこととなりました。

題名:ガンの早期発見に関して(胃カメラ、大腸内視鏡の重要性)
日時:10月2日 19:00〜20:00まで
場所:西旭町集会場(駐車場はありません)
興味のある方はふるってご参加ください。

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大腸内視鏡(大腸ファイバー)、胃内視鏡(胃カメラ)の検診の重要性についての講演会 2008年5月27日

講演会のお知らせ

知り合いの方から頼まれて、小さい会場ですが講演会をすることとなりました。
日時は6月22日午後1時半から30分程度を予定しております。
場所は翠町東集会場で駐車場はありません。小さな集会場で30から40人程度を予定しております。
料金はもちろん無料です。
題目は上にも記載していますが、大腸内視鏡(大腸ファイバー)、胃内視鏡(胃カメラ)の検診の重要性についてを予定しています。
日曜日の午後で皆さん予定がいろいろあるとは思いますが興味があれば聴きにきてください。

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ホームページリニューアルのお知らせ 2008年5月21日

以前、前のホームページでお知らせしたように、ホームページをリニューアルしました。
今回からは専門の業者に任せましたので、以前のようにブログに入ってこられてブログを書き換えられることはもうないかと思います。

しかし、ハッカーとはまったく人騒がせな集団です。
結局ホームページをリニューアルする時間もかかるし、当然専門の業者に頼むわけですから、コストもかかります。

今までのホームページは気に入っていたので残念ですが、今回リニューアルするにあたり、更にホームページを充実させましたので、いろんなところを見て下さい。
また今回から当院にて治療した大腸がんの症例や、早期発見にて内視鏡で治療可能であった胃がん、食道がんに関しても写真を載せています。
また時間がありましたら、ぜひ見てみて下さい。

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胃の内視鏡検査、大腸の内視鏡検査の重要性(胃カメラ、胃内視鏡の重要性)3 2008年3月2日

前回からまた少し間があいてしまいましたが、今回は今までのまとめとなります。胃検診(胃カメラ、胃内視鏡)の重要性についてです。
前回、前々回のまとめですが、大事なことは以下の3点です。

  • 1)胃がんは胃の内腔側からおこる。つまり胃カメラ、胃内視鏡から見える側から病変が生まれる、ということです。早い段階から(早期胃がんも含めて)病変を見つけるためには、胃の内腔側からの検査である胃カメラ、胃内視鏡、胃透視などが必要であるということです。
  • 2)早期胃がんで見つかれば、多くの施設で9割強の方が完治するということです。
  • 3)逆に進行がんではいろいろな施設で治療性成績が異なりますが、4割から6割の方が、再発にて死亡するとのことです。

つまり早期の胃がんで見つければ、がんが完治する可能性が高い、逆に進行がんで見つかると完治の割合が低下し死亡する可能性が高くなるわけです。

以上から胃がんに関しては早期発見がいかに重要であるか、また胃がんは胃の内腔側から生じるため、胃の内腔側を検査している胃カメラ、胃内視鏡、胃透視がCTやエコー検査、血液検査などに比較して有利であることが想像できると思います。

CTやPETで大腸などの管臓器の情報が検出されるようになったとは言われていますが、やはり10mm以上の病変でないと検出率は極端に悪くなります。胃カメラ(胃内視鏡)や胃透視に比べ格段に精度が落ちます。つまり現在のように医学が進歩していても胃の内腔の検査は胃カメラ(胃内視鏡)と胃透視に優るものはないのです。では胃カメラ(胃内視鏡)と胃透視を比べるとどちらがより病変の検出率が優れているのでしょうか。胃透視はみなさんもご存知のように白黒写真であり、胃内腔側の色の情報はありません。形の情報のみです。一方胃カメラはカラー写真のため、色の違いも情報となります。色の違う部位の(もっとも早期のがんの場合もあります)診断、またあやしい部位の確定診断のための組織を回収する検査も可能です。組織を採取できること、色の変化も情報に加えることができることが胃カメラ、胃内視鏡での早期発見を可能にしています。また今までの各種検査での自分の経験上、胃透視に関しては早期の病変があっても描出率が悪く、発見が少し遅れ気味で進行がんで発見されることがあるので、やはり同じ胃の検査をするなら胃カメラ、胃内視鏡を薦めます。

では、胃がんでは自覚症状があるのでしょうか?正直に言いますと、胃がんの自覚症状は早期胃がんでは出現することがまれです。ほとんどありません。進行がんになると胃痛や胸焼けなどの腹部症状が出ることがありますが、こちらも無症状のことが多いです。このため早期胃がんを見つけるためには、無症状な方、つまり毎年の検診で見つける以外難しいのです。逆に自覚症状があり見つかるものより、無症状で毎年の検診を受けている方に早期胃がんが見つかる可能性が高いです。

以上から考えると、治療可能な早期胃がんを発見するには、どうすればよいかおのずと答えは出てきます。自覚症状の無い時に定期的に行われる胃検診(胃カメラ、胃内視鏡、胃透視)が重要であることが理解できると思われます。また胃検診に関しては、透視とカメラを比較すると、圧倒的にカメラの方が情報量が多く、確定診断も生検による組織検査で可能なため、自分は胃カメラ(胃内視鏡)をお薦めします。

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胃の内視鏡検査、大腸の内視鏡検査の重要性(胃カメラ、胃内視鏡の重要性)2 2008年02月10日

前回に引き続いて、今回は胃がんの生存率について投稿しようと思います。

前回投稿しましたように、胃がんがどの程度進行しているかは、内視鏡などで内腔側から見た目の広さではなく、深さに依存しています。胃壁は表層から大きく分けると5層で構成されており、もっとも内腔から粘膜層、粘膜筋板、粘膜下層、筋層、漿膜の順に並んでいます。このうち粘膜、粘膜筋板にはほとんど血管やリンパ管が存在しません。また、がんは他臓器(胃がんの場合なら、胃がん以外の臓器、肝臓や肺や脳や卵巣など)に転移するためには直接伸びていく(直接浸潤)か、脈管(血管とリンパ管をあわせて脈管と呼びます)を介してよその臓器に飛んでいくしかありません。当然脈管を介してよその臓器、例えば肝臓などに転移が存在していた場合、肝臓以外の臓器にも目には見えませんが、細胞レベルの転移は存在している可能性があります。胃がんの部位を切除(内視鏡的にしろ、外科手術にしろ)できても、ほかの臓器に転移があれば、転移した部位でがんが増殖してきます。現在の医療では全ての臓器を取り除くことはできないため、この転移が生命に関わってくるわけです(現在話題になっている再生医療は、自分の細胞から臓器を生産し、臓器移植を行い、このジレンマから逃れようとするものです)。転移がのちのちの生きていける割合(乳がんを除き一般的ながんは転移している場合、5年以内に再発する傾向が高いため、5年間生きることができた方の割合をがんから生存した割合として使用し、5年生存率と呼びます。)を決定しているのです。

胃の内視鏡検査、大腸の内視鏡検査の重要性 2 左の表は「日本胃癌学会編「胃癌治療ガイドラインの解説(一般用)」(金原出版)」より一部改変したものですが、胃がんの進行度を示しているものです。(図をクリックすると大きくなります)
   

いきなり見るとすごい専門用語だらけですが、いままでブログを読んで頂いていれば比較的簡単に理解できます。この表に基づいて、胃がんの生存率をホームページなどで発表している施設が多いのですが、それは先ほどから何度も繰り返しているように、転移が予後を決定するからです。また転移は直接伸びていくか、脈管を介して遠くの臓器に飛んでいくかしかないので、直接伸びていく軸(縦軸:胃がんの深さ)、脈管を介して転移していく軸(横軸:リンパ節の転移度)となるわけです。あとは遠くの臓器に転移があるかないかとなります。ここまでくると当然I期は予後がよく、遠隔転移があるIV期は予後が悪いことは比較的たやすく理解できると思います。

早期がんとは、この表で行けば縦軸の上から2行目までの粘膜下層に限局しているものが早期がんです。上から2行目まででも表をみれば、当然IV期もありえますが、Ia、IbのI期が実際には圧倒的に多くなります。理由は先ほど投稿しているように脈管が存在するのは粘膜下層、筋層、漿膜のため、当然がんが深くなればなるほど、がんが脈管に接する割合が増え、脈管を介したリンパ節転移、遠隔転移の割合が増えるわけですから、表の対角線上に症例が多く分布するわけです。

個々の施設での治療成績は個々の病院のホームページを参照して頂くとして、全体の流れとして、5年生存率はI期では90%以上、IV期で40%程度からそれ以下、II期、III期はその中間程度です。

さて、今までの長々とした投稿ですが、結局早期胃がんの場合I期の可能性が高く、ほとんどの施設で5年生存率が9割以上ということ、つまり早期胃がんで見つければがんで死なないということです。しかし進行がんだと6割は死にます。検診を受ける意義は見つかって死んでしまっては検診を受ける意味がありません。助からないと検診の意味が薄れます。医療には100%はありませんので全ての方を助けることはできませんが、早期胃がんで見つければ9割の方が助かるわけです。では早期胃がんで見つけるにはどうしたら良いのかですが、かなり長くなりましたし夜もふけてきたので、次の投稿とさせて下さい。

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胃の内視鏡検査、大腸の内視鏡検査の重要性(胃カメラ、胃内視鏡の重要性)1 2008年01月28日

開業したばかりで、病院時代には経験しないようないろんな雑用があり、落ち着いてブログ投稿もできない状況で、前回からまたかなり日にちが経ってしまいました。。。。ごめんなさい。

今回から、当分の間、可能な限り時間を作って、胃、大腸の検診の重要性について投稿していこうと考えております。今回は1回目で、胃がん、大腸がんの進行がんと早期がんの違いについて投稿しようと思います。

まず、「がん」とは何でしょう?がんと良性腫瘍との違いは何でしょう?
答えは単純にすれば、腫瘍の中で転移するものが悪性、転移しないものは良性と考えてもらえば良いようです。そして胃がん、大腸がんとは、胃や大腸などの最も表層にある正常な細胞(上皮細胞と言います)が遺伝子異常を起こし、悪性の細胞になり大きくなったものです。逆に言えば、悪性腫瘍(がんも含めて)は全て正常の細胞から生まれているのです。どんなに若い方であっても、この遺伝子異常は毎日起こりうる可能性を持っており、実際起こっています。ただし、動物は進化の過程ですばらしい機能を身につけており、ほとんどのがん細胞は免疫の力で排除されます。この免疫の排除を逃れたがん細胞のみが大きくなっていくのです。

つまり、胃や大腸のがんは、胃や大腸の最も表層側から生まれ、大きくなっていきます。大きくなっていく時に、当然がんは大きくなるのに、表層を這うように横方向にも、表層から奥に向かって縦の方向にも大きくなっていきます。このとき横方向の大きさは、がんになって治療したときに助かるかどうかにあまり影響しません。縦の深さの方向のほうが、がんの治療後の生き死に強く影響するため、ある深さ以上の病変を進行がん、その深さまで達していないものを早期がんと名づけているわけです。

つまり、進行がんとは胃や大腸などの表層にある上皮細胞から生まれたもののうち、悪性の細胞が深くまで入ったもの(正確にいえば、筋肉の層があり、筋層と呼ばれていますが、、、ここまで達したもの)です。

では、これらがんを引き起こす遺伝子異常はどうして起こるのでしょう。これらはいろんな原因があります。胃ではヘリコバクターピロリ菌や喫煙などいろんな要因がありますが、実は人間の細胞は酸素を吸収し、二酸化炭素を放出しないと生きていけませんが、このときにも活性酸素が生まれ、遺伝子異常の原因となっているのです。酸素呼吸をする細胞は生きるだけで何もしなくても、遺伝子異常を起こすのです。生きるために、がん細胞の素を作るとはなんとなくむなしい感じがしますが、、、、これら活性酸素は当然喫煙などのほうが、単なる細胞の呼吸より大量に生産されます。また、この活性酸素は細胞の老化にも影響を及ぼしています。いわゆるアンチエイジングのひとつはこのような考えから生まれたものもあります。

当診療所では、胃がん、大腸がんの内視鏡検診はもちろん、これら酸化ストレスに対する体の抵抗因子である、抗酸化ストレスの指標を、血液、おしっこで測定できますので、興味のある方は、来院下さい。

本日はこれぐらいにしておきます。次回は胃がん、大腸がんの進行がんと早期胃がんでの予後の違いについて投稿予定です。

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ちょっとコーヒーブレイク、翠町のとんど祭について 2008年01月14日

こんにちは、前回は医学的な話題を投稿しましたが、毎回医学的な話題ばかりでもちょっと堅苦しいブログになりそうなので、コーヒーブレイクも兼ねて、1月13日に翠町小学校であったとんど祭に参加した感想について今回は投稿しようと思います。

私は、小学校時代、翠町でほとんど育ったので、小学校は翠町小学校に通っていました。小学校低学年の頃は翠町小学校のすぐ横にある松田病院の北側の道路向かいに住んでおり、小学校までなんと1分程度の通学距離で、もともと朝の弱い自分ですから、今から考えると大変うらやましい環境でした。小学校の頃は冬の楽しみのひとつがとんど祭で、組まれた竹に点火する瞬間から火が勢い良く燃えて、竹がはじけたりする様子に興奮したものです。今回30年以上ぶりに母校のとんど祭に参加しましたが、以前と同様組まれた竹が勢い良く燃える様子に懐かしさを覚えました。また、この度は祭太鼓もあり、とても勇壮な太鼓の音色と、勢い良く燃えはじける竹の音とあいまって良いものでした。

子供の頃のとんど祭でのもうひとつの楽しみは、火が収まってから、もちを焼いてそのもちを、町内会の方に作って頂いたぜんざいに入れて食べることでした。今回久々にとんど祭に参加させて頂いたので、そのような準備をしていませんでしたが、低学年の頃は長い棒の先端を割って、銀紙に包んだもちを焼いたことを思い出しました。もちがうまく焼けず、炭になって焦げたもちをぜんざいに入れて、それでもおいしく食べた記憶を懐かしく思い返しました。

来年こそは子供と一緒に用意して、もちを焼いて食べようかと思います。

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無痛で早い大腸内視鏡(大腸カメラ)の挿入について 2008年01月09日

PCのトラブルやホームページのトラブルなどでほとんどブログを更新できないでいました。 やっと更新できるようになりましたので、本日より自分が感じた(偏見も入っているかもしれません)様々なことを投稿していこうと思います。

まず始めは、無痛で早い大腸内視鏡の挿入についてです。

最近、職場の健診で便潜血陽性のため、大腸内視鏡を受ける方が増えているようですが、時々聞くことは「前回は死ぬほど大腸の検査が痛かった」あるいは「途中までしか入らなかった」などの訴えを聞くことが多くあります。またこれらの痛みのため、「もう2度と大腸内視鏡はうけたくない」とのコメントを聞くことがあります。

では、大腸内視鏡の検査は本当に痛いのでしょうか、それともどうなのでしょうか。

自分の経験上では、ほとんどの方は空気が入ることの違和感を訴えられる程度で、「死ぬほど痛い」と訴えられる方はほとんどいません。ただし、特に女性で子宮筋腫の手術や婦人科の手術あるいは男女を問わず下腹部の手術をされている患者様で癒着のため、痛みを訴えられる方も少なからずおられます。

理由は、大腸は下腹部の部位が最も複雑に曲がっているため(この部位をS状結腸と言います)、この部位が手術後の癒着を起こし、曲がっているような場合、スコープが直線的に入っていくと癒着をはがし痛みを感じるようです。経験上、痛みは挿入の方法でかなり軽減できますが、まったく感じなくさせることは至難の技です。そのためこの場合は静脈麻酔を使い、眠った状態で検査を受けてもらうことで、ほとんど痛みを感じなく検査を行うことができます。静脈麻酔を使用することには賛否があるようですが、このようにどうしても痛みを感じる方に対して、一度静脈麻酔を使用すると、「まったく痛みを感じなかった。次回からも必ず静脈麻酔を使用してもらいたい。」との申し出を受けます。おそらくよっぽど楽なのでしょう。

このため最近、私が大腸内視鏡を行う場合、ほとんどは無麻酔(意識下)で大腸内視鏡を行っていますが、申し出のある方や挿入時に痛みのある方には静脈麻酔を使用しています。

静脈麻酔を使用する頻度は自分の場合、50人に1人程度の頻度でしょうか。

ここで最初の疑問である、「大腸内視鏡は本当に痛いのでしょうか」の答えですが、「大腸内視鏡はいろんな方法で痛みを軽減できます。ほとんどは腹部の違和感程度です。ただし痛みが強ければ、それなりの方法があるので恐れることなく、受けて下さい」というのが私の答えのような気がします。

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院長ブログを始めます 2007年12月12日

診療に関することや日々の所感など、投稿してまいります。

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